キャリアの棚卸し|職務経歴書の前にやる3つの作業
- 棚卸しは「経歴を時系列で書き出す」「実績を数字と役割で残す」「繰り返し出てくる強みを抜き出す」の3つの作業。
- 書き出す段階では取捨選択しない。小さな改善や社内だけの成果も全部書く。選ぶのは職務経歴書を書くとき。
- 棚卸しの結果は職務経歴書・自己PR・面接の答えの共通の材料になる。一度しっかりやれば、応募先ごとの書き直しが楽になる。
棚卸しを先にやる理由
職務経歴書の書式を開いてから考え始めると、思い出せた順に書くことになり、大事な実績が抜けたり、どの経験を強調すべきかが決められなかったりします。
棚卸しは、書類を書く前に「材料を全部並べる」作業です。材料が揃っていれば、応募先に合わせて選ぶだけで職務経歴書が書けます。自己PRや面接の答えも同じ材料から作れるので、書類と面接で話がずれることもなくなります。
作業1:経歴を時系列で書き出す
入社から現在まで、所属や担当が変わった区切りごとに書き出します。転職経験がある人は、前の会社の分も書きます。
| 期間 | 所属・役職 | 担当業務 | 関わった人・規模 |
|---|---|---|---|
| 2019年4月〜2021年3月 | 営業部 | 既存顧客のルート営業 | 担当30社、チーム5人 |
| 2021年4月〜2024年3月 | 営業部 主任 | 新規開拓、後輩2人の指導 | チーム8人 |
| 2024年4月〜現在 | 営業企画課 | 営業資料と提案の仕組みづくり | 営業部全体と連携 |
この表の数字は書き方の例です。自分の経歴に置き換えてください。
思い出すときは、次の資料が手がかりになります。
- 過去の人事評価シートや目標管理シート
- 社内の表彰や報告資料
- 手帳・カレンダー・メールの送信履歴
- 作った資料のファイル(社外に持ち出さず、社内で見返すだけにする)
作業2:実績を数字と役割で残す
次に、各期間の中で「自分がやったこと」と「その結果」を書き出します。ポイントは数字と役割をセットで書くことです。
数字で書く
売上や件数だけでなく、時間、割合、人数、期間など、比べられるものはすべて数字にします。
- 見積もり作成の手順を見直し、1件あたりの作成時間を約2時間から約40分に短縮した
- 新人向けの研修資料をつくり、翌年から部署の標準資料として使われるようになった(対象者は年6人)
- 担当エリアの既存顧客への訪問頻度を見直し、前年に取引が止まっていた3社との取引を再開した
数字がない仕事でも、「誰が使っているか」「いつから続いているか」「何件処理したか」は書けることが多いです。どうしても数字にならないものは、「前と後で何が変わったか」を言葉で書きます。
役割を書く
同じ結果でも、自分が主導したのか、チームの一員として担当したのかで評価は変わります。「提案した」「取りまとめた」「実行を担当した」「指導した」など、自分の役割がわかる動詞で書きます。チームの成果を自分一人の成果のように書くと、面接で詳しく聞かれたときに説明できなくなるので注意してください。
社外秘の情報(取引先名、具体的な売上金額、未公開の事業計画など)は、棚卸しのメモには書いても、職務経歴書には書かないか、ぼかして書きます。「大手メーカー(従業員数千人規模)」「前年比◯%増」のように、特定できない形にします。
うまくいかなかった経験も書いておく
棚卸しでは、成果が出た経験だけでなく、失敗した経験やうまくいかなかった経験も書き出しておきます。面接では「うまくいかなかったこと」「そこから学んだこと」を聞かれることがあるためです。何がうまくいかなかったか、原因は何だったか、次にどう変えたかの3点を短くメモしておけば、面接の準備がそのままできます。
作業3:繰り返し出てくる強みを抜き出す
実績を並べたら、違う時期・違う仕事で繰り返し出てくる行動を探します。それがあなたの強みです。
たとえば、上の例では「手順を見直して時間を短くする」「資料をつくって仕組みにする」という行動が複数の実績に出てきます。この場合の強みは「業務の手順を見直し、ほかの人も使える仕組みにする力」とまとめられます。
強みを言葉にするときは、「コミュニケーション能力」「責任感」のような一般的な言葉で終わらせず、どんな場面で何をしたかが分かる形にします。強みを自己PRにまとめる方法は自己PRの作り方で解説しています。
- 強みの裏づけになる実績が2つ以上あるか
- その強みは、応募したい職種で使う場面があるか
- 面接で「具体的には」と聞かれたときに、場面・行動・結果の順に話せるか
棚卸しの結果をどう使うか
棚卸しで作った材料は、次のように使い分けます。
- 職務経歴書:応募先の求人要件に近い実績を選び、上に配置する。書き方は職務経歴書の書き方を参照
- 自己PR・志望動機:抜き出した強みと、応募先の仕事の接点を書く
- 面接:実績ごとに「場面・行動・結果」を30秒〜1分で話せるようにしておく
- 転職理由:転職理由の整理と合わせて、「これまでやってきたこと」と「次にやりたいこと」をつなげる
次にやること
- 所属や担当が変わった区切りごとに、経歴の表を埋める
- 各期間について、実績を3つ以上、数字と役割をつけて書き出す
- 実績の中で繰り返し出てくる行動に印をつけ、強みを1〜2個言葉にする
- 応募したい求人を1つ選び、要件に近い実績を棚卸しの中から3つ選んでみる