志望動機の作り方|使い回しに見えない型(例文つき)
- 志望動機は「転職で実現したいこと」「応募先でそれができる理由」「自分が貢献できること」の3つをつなげて作る。
- 使い回しに見える原因は、応募先の固有の情報(事業・顧客・仕事の進め方)が入っていないこと。
- 待遇や通勤の便利さは志望動機にしない。本音でも、書類では仕事の話に置き換える。
志望動機が「使い回し」に見える理由
採用担当者は、同じ職種で多くの応募書類を読みます。その中で使い回しに見える志望動機には共通点があります。
- 「貴社の理念に共感しました」「成長できる環境に魅力を感じました」など、どの会社にも当てはまる言葉だけでできている
- 会社の説明(事業内容)を書き写しているが、自分との関係が書かれていない
- 前職の不満から始まり、応募先で何をしたいかが書かれていない
逆に言えば、その会社の固有の情報と自分の経験が結びついていれば、同じ業界の別の会社には出せない文章になります。
志望動機の型は3段構成
| 段 | 書くこと | 材料 |
|---|---|---|
| 1. 転職の軸 | 転職で実現したいこと | 転職理由を前向きに言い換えたもの |
| 2. 応募先を選んだ理由 | 応募先でそれが実現できると考えた根拠 | 求人票、企業サイト、面談で聞いた話 |
| 3. 貢献できること | 自分の経験をどう活かすか | 職務経歴書の実績 |
1段目の材料になる「転職の軸」は、転職理由を整理すると出てきます。「残業が多い」という不満も、「業務の進め方を仕組みで改善できる環境で働きたい」のように条件に言い換えられます(転職理由の整理のしかた)。
2段目がいちばん重要で、使い回しかどうかはここで決まります。応募先について次のうち最低1つを具体的に書けるようにしておきます。
- 主な顧客(業界・規模・個人か法人か)
- 主力の商品・サービスと、その特徴
- 仕事の進め方(分業か一気通貫か、チーム体制など)
- 求人票に書かれた「この求人で期待すること」
- 最近の事業の動き(新サービス、新拠点など)
職種別の例文
営業職(同業界への転職)
これまで7年間、製造業向けに業務用資材の営業をしてきました。受注後の納品や保守は別部署の担当だったため、導入後に顧客の困りごとを聞いても、改善まで関われないことにもどかしさを感じてきました。
貴社は、営業担当が導入後の定着支援まで一貫して担当する体制をとっていると求人票で拝見しました。顧客と長く関わりながら提案を重ねられる点に魅力を感じ、応募いたしました。
前職で取り組んだ業種別の提案資料づくりや、失注理由をチームで共有する仕組みづくりの経験を活かし、既存顧客への追加提案にも貢献したいと考えています。
事務職(業界を変える転職)
経理担当として5年間、売掛金管理と請求業務を担当してきました。手作業の多かった消込作業を半自動化した経験から、業務の仕組みを整えて周りの人が働きやすくなることにやりがいを感じるようになりました。
貴社が現在、管理部門の業務システムの入れ替えを進めており、その運用設計を担う人材を募集していると伺いました。実務を知る立場から手順を整える役割は、これまでの経験をもっとも活かせると考えています。
業界は異なりますが、経理の基本業務と、業務改善を社内で調整しながら進めた経験で、早期に戦力になれるよう努めます。
未経験職種への転職
販売職として6年間、店舗での接客と売場づくりを担当してきました。店長代理として新人スタッフの育成を任されるなかで、人が仕事を覚えていく過程を支えることに関心を持ち、人材業界のキャリアアドバイザー職を志望しています。
貴社は販売・サービス業からの転職支援に特化しており、求職者の多くが私と同じような経歴を持つと伺いました。現場で働く人の悩みや、職場を選ぶときに気にすることを実体験として理解している点を、面談の場で活かせると考えています。
未経験の職種のため、入社後は業界知識の習得を最優先し、早く一人で面談を任せていただけるよう努めます。
未経験職種の場合は、なぜその職種なのかとこれまでの経験の何が使えるのかの2点を特に丁寧に書きます(未経験職種への転職)。
よくある失敗と直し方
「学びたい」「成長したい」が中心になっている
会社は学校ではないため、「学ばせてほしい」という書き方は受け身に見えます。学ぶ意欲を伝えるなら、学んだことで何に貢献するかまで書きます。
× 貴社で幅広い業務を経験し、成長したいと考えています。
○ 入社後は〇〇の業務知識を早期に身につけ、これまでの△△の経験と組み合わせて、□□の提案に貢献したいと考えています。
待遇や条件が理由になっている
年収、休日、在宅勤務、通勤のしやすさは、転職を考えるうえで大切な条件です。ただし志望動機に書くと、「条件がよければ他社でもよいのでは」と受け取られます。条件の確認は面接の後半や内定後に行い、志望動機には仕事の内容を書きます。
前職の不満から始まっている
「前職では〇〇ができなかったので」から始めると、不満の印象が残ります。書き出しは自分がしてきたことにして、その延長として転職の軸を示します。
面接で深掘りされる前提で作る
書類の志望動機は、面接でほぼ確実に話題になり、深掘りされます。「なぜ同業の他社ではなく当社なのか」「入社後、最初の1年で何をしたいか」には、書類に書いた内容の延長で答えられるようにしておきます(転職面接でよく聞かれる質問と答え方)。
履歴書の志望動機欄は2〜3行の要約、職務経歴書や面接では上の3段構成の全体、と分量を使い分けます。内容は同じものにして、食い違いが出ないようにします。
次にやること
- 転職理由を1つ選び、「〇〇できる環境で働きたい」という転職の軸に言い換える
- 応募先の求人票・企業サイトから、上のチェックリストの項目を最低1つ書き出す
- 職務経歴書の実績から、応募先で使える経験を1つ選ぶ
- 3段構成で300字前後の下書きを作り、他社名に差し替えても通じる文がないか確認する
- 履歴書用に2〜3行の要約版を作る