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内定後に労働条件通知書で確認すること

最終更新 2026-09-23 | 転職えらび編集部

先に3行で
  • 会社は労働契約を結ぶときに労働条件を明示する義務があり、賃金や労働時間など主要な項目は書面(本人が希望すればメール等)で示される。
  • 2024年4月から、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示事項に加わった。転勤や異動の可能性はここで確認する。
  • 求人票と違う点、固定残業代の内訳、試用期間中の条件は、承諾する前に質問して書面で確かめる。

内定の連絡を受けたら、承諾の返事をする前に労働条件通知書(または雇用契約書)を受け取り、内容を確認します。口頭で聞いた話と書面が違っても、後から覆すのは簡単ではありません。ここでは、法律で決まっている明示事項と、見落としやすい点を厚生労働省とe-Gov法令の情報で整理します(2026年9月時点)。

労働条件の明示は会社の義務

使用者は、労働契約を結ぶときに賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(労働基準法第15条、2026年9月時点)。

このうち次の項目は、書面の交付による明示が必要です。本人が希望した場合は、FAXや電子メール等(出力して書面にできるもの)でも構いません(労働基準法施行規則第5条)。

書面で明示される項目確認のポイント
契約期間期間の定めがあるか。有期なら更新の基準と上限
就業の場所・従事する業務入社直後の配属先と、将来の変更の範囲
始業・終業時刻、残業の有無、休憩、休日、休暇所定労働時間、シフト制か、年間休日
賃金の決定・計算・支払方法、締切日・支払日基本給と手当の内訳、固定残業代
退職に関する事項(解雇の事由を含む)退職の申出期限など

昇給、退職手当、賞与、休職などは、会社に定めがある場合に明示が必要な項目です。書面に書かれていなければ、就業規則のどこを見ればよいか質問しましょう。

2024年4月からの「変更の範囲」

2024年4月から、就業場所と従事する業務について「変更の範囲」も明示事項に加わりました(厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」、2026年9月時点)。有期契約の場合は、更新上限(通算契約期間または更新回数)の有無と内容も明示されます。

同じく2024年4月から、求人の募集や職業紹介の段階でも、業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約の更新基準を明示することが求められています(厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」)。

確認リスト
  • 就業場所の変更の範囲に「会社の定める場所」など広い書き方がされていないか。転勤の有無を具体的に質問したか
  • 業務の変更の範囲が、希望する職種から大きく外れていないか
  • 有期契約なら、更新上限と更新の判断基準が書かれているか

固定残業代の見方

求人票や通知書に「固定残業代(みなし残業代)」がある場合は、内訳を必ず確認します。厚生労働省は、固定残業代を支払う場合について、通常の賃金部分と割増賃金部分(固定残業代)を判別できるようにしたうえで、固定残業代が法定の計算で出した割増賃金を下回るときは差額を支払う必要があるとする判例を示しています(厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A、2026年9月時点)。

確認するのは次の3点です。

  1. 固定残業代を除いた基本給はいくらか
  2. 固定残業代は何時間分・いくらか
  3. その時間を超えた残業代は追加で支払われると書かれているか

基本給が低く固定残業代の割合が大きいと、残業が少ない月も多い月も手取りが変わらず、賞与や退職金の計算の基礎も小さくなることがあります。求人票の段階での見方は求人票の読み方でも解説しています。

求人票・面接の説明と違うとき

求人時に示された条件と、契約を結ぶときの条件を変える場合、会社は変更内容を明示しなければなりません(職業安定法第5条の3第3項)。変更点が示されていないのに求人票と違うと気づいたら、承諾前に理由を質問しましょう。

例文

労働条件通知書をお送りいただきありがとうございます。1点確認させてください。求人票では基本給◯◯円とありましたが、通知書では◯◯円となっております。差額の内訳(固定残業代等への振り替えなど)をご教示いただけますでしょうか。

また、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。就業のために住居を変えた人が契約解除の日から14日以内に帰郷する場合は、使用者が必要な旅費を負担します(労働基準法第15条第2項・第3項)。ただし、これは入社後のトラブルへの対処です。入社前に書面で確かめておくことが一番の予防になります。

エージェント経由の場合の確認の仕方

転職エージェントを使っている場合、条件の確認や交渉はエージェント経由で行えます。ただし、最終的な労働条件は会社が発行する書面で確認してください。エージェントからのメールや口頭の説明だけで承諾しないことが大切です。複数の内定を比べる場合は複数内定の比べ方と辞退の伝え方も参考になります。

次にやること

  • 内定承諾の前に、労働条件通知書(または雇用契約書)を書面かメールで受け取る
  • 求人票・面接メモと通知書を1項目ずつ突き合わせる
  • 変更の範囲、固定残業代の内訳、試用期間中の条件を確認し、不明点は質問する
  • 年収に不満がある場合は、承諾前に交渉する(年収交渉のやり方
  • 労働条件が明示されない、事実と違うなどの相談は、都道府県労働局や労働基準監督署へ