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お金と制度

退職金と退職日のタイミング

最終更新 2026-09-23 | 転職えらび編集部

先に3行で
  • 退職金の有無・計算方法・支払時期は会社ごとの退職金規程で決まる。退職日を決める前に規程を読む。
  • 退職金の税金は、勤続年数に応じた退職所得控除を引いた残りの2分の1に課税。「退職所得の受給に関する申告書」を出せば原則確定申告は不要。
  • 月末退職か月の途中の退職かで、社会保険料がかかる月が変わる。雇用保険や住民税の扱いも退職日で変わる。

退職日は「いつ辞めると損をしないか」を数字で確認してから決めるのが安全です。ただし、得になるかどうかは会社の規程と個人の状況しだいで、一律の正解はありません。ここでは、確認すべき項目を国税庁・日本年金機構・e-Gov法令等の公式情報で整理します(2026年9月時点)。

退職金は会社の規程で決まる

労働基準法は、退職手当について「定めをする場合」のルールを置いています。退職手当の定めをする会社は、対象となる労働者の範囲、決定・計算・支払の方法、支払の時期を就業規則に記載しなければなりません(労働基準法第89条第3号の2、2026年9月時点)。

確認リスト
  • 退職金規程があるか、自分が対象か(雇用形態・勤続年数の条件)
  • 勤続年数の数え方(入社日・試用期間・休職期間の扱い)
  • 自己都合と会社都合で支給率が違うか
  • 支給額が上がる勤続年数の区切りが、退職予定日の直後にないか
  • 支払時期(退職後何か月以内か)

区切りの直前で辞めると支給額が下がる規程もあるので、退職日を数日〜数週間ずらすだけで差が出ることがあります。規程が見当たらない場合は人事に確認してください。

退職金にかかる税金

退職金は「退職所得」として、給与とは分けて税額を計算します(国税庁 No.1420「退職金を受け取ったとき(退職所得)」、2026年9月時点)。

退職所得の金額 =(退職金の額 − 退職所得控除額)× 1/2

勤続年数(A)退職所得控除額
20年以下40万円 × A(80万円に満たない場合は80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(A − 20年)

勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げます。国税庁の例では、勤続10年2か月の人は11年として、控除額は440万円です。

ただし、勤続5年以下の場合は例外があります。役員等として勤続5年以下の人の退職金は2分の1計算がなく、それ以外で勤続5年以下の人の退職金は、控除後の額のうち300万円を超える部分に2分の1計算が適用されません。また、前年以前に退職金を受け取っている場合や同じ年に2か所以上から受け取る場合は、控除額の計算が変わることがあります。

申告書を出すかどうかで手続きが変わる

退職時に会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を出しているかどうかで、手続きが変わります(国税庁 No.1420)。

申告書源泉徴収確定申告
提出している会社が退職所得の額に応じた税額を計算して源泉徴収原則不要
提出していない支払額の20.42%が源泉徴収される本人が確定申告で精算する

退職金にかかる住民税も、支払いの際に差し引かれます。給与分の住民税の扱いは退職と住民税で説明しています。

社会保険料:月末退職と月の途中の退職

健康保険・厚生年金の資格は、退職した日の翌日に失われます。保険料は、資格を失った日が属する月の前月分まで納めます(日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」、2026年9月時点)。

退職日資格喪失日会社の保険料がかかる月
4月15日(月の途中)4月16日3月分まで
4月30日(月末)5月1日4月分まで

月末退職の場合、給与の締め日によっては最後の給与から2か月分の保険料が引かれることがあります。一方、月の途中で辞めてその月に次の会社に入らない場合は、その月から国民年金と国民健康保険(または任意継続)の保険料を自分で払うことになります。どちらが得かは、次の入社日と加入先の保険料しだいです。切り替えの手順は退職後の健康保険・年金の切り替えを参照してください。

雇用保険・住民税への影響

退職日は、ほかの制度にも関わります。

注意

賞与の支給日に在籍していることを条件にしている会社もあります。賞与の支給条件は就業規則や賃金規程で確認してください。

次にやること

  • 就業規則・退職金規程・賃金規程を読み、支給条件と勤続年数の区切りを確認する
  • 退職予定日を2〜3案出し、退職金・賞与・社会保険料・住民税の差を並べて比べる
  • 退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出する
  • 内定先の入社日と調整しながら退職日を決める(退職日の決め方
  • 退職金の税額や確定申告の要否は税務署、社会保険料は年金事務所、退職金規程の解釈は会社の人事に確認する