比較表
退職の手続き

退職届と退職願の違いと書き方

最終更新 2026-09-23 | 転職えらび編集部

先に3行で
  • 退職願は「お願い」、退職届は「決定の通知」。上司と退職日を合意した後に出すのは退職届
  • 会社に指定の様式があればそれを使う。なければ本文は「一身上の都合により」で理由は書かない
  • 受け取ってもらえないときは、内容証明郵便で送ると提出した日と内容が記録に残る

退職願・退職届・辞表の違い

3つは似た書類ですが、意味が違います。

書類意味出す場面
退職願「退職させてください」という会社へのお願い退職の可否や時期をまだ相談したい段階
退職届「◯月◯日に退職します」という意思の通知退職日が決まり、正式に手続きを進める段階
辞表役員や公務員が職を辞するときの書類一般の会社員は使わない

一般に、退職願は会社との合意で雇用契約を終える「合意解約の申込み」、退職届は労働者からの一方的な「解約の申入れ」と整理されます。退職届は会社に届いた後の撤回が難しいと考えられているため、出すのは退職の意思が固まってからにします。撤回の可否など個別の判断が必要な場合は、労働局の相談窓口や弁護士に確認してください。

どちらを出すかの決め方

迷ったら次の流れで進めます。

  1. 直属の上司に口頭で退職の意思を伝える(伝え方は退職の伝え方
  2. 上司と退職日・最終出社日を合意する
  3. 合意した日付を書いた退職届を提出する

会社によっては「まず退職願を出し、承認後に退職届」と二段階を求めるところもあります。就業規則か人事担当者に、提出する書類の名前と様式、提出先を確認してください。常時10人以上の労働者を使用する会社は、退職に関する事項を含む就業規則の作成・届出が労働基準法89条で義務づけられています。

注意

退職願・退職届の提出は法律上の必須手続きではありません。ただ、口頭だけだと「いつ・何日付で辞めると言ったか」が後から争いになることがあります。書面で出し、控え(コピーや写真)を手元に残しておきます。

書き方の基本

会社の様式がない場合は、次の形で作ります。

  • 用紙:白無地のA4またはB5。縦書きが一般的だが、横書きでも問題はない
  • 手書きかパソコンか:会社に決まりがなければどちらでもよい。署名だけは手書きにしておくと本人の書類であることがはっきりする
  • 理由:自己都合なら「一身上の都合により」とだけ書く。不満や具体的な事情は書かない
  • 日付:退職日(雇用が終わる日)と提出日を分けて書く
  • 宛名:会社の代表者(代表取締役など)の役職と氏名。敬称は「殿」または「様」
  • 封筒:白無地。表に「退職届」、裏に所属と氏名

退職日は、有給休暇を最終出社日の後に使う場合、最終出社日ではなく雇用が終わる日です。取り違えやすいので退職日の決め方で整理してから書いてください。

例文

例文

退職届

私儀

このたび、一身上の都合により、令和◯年◯月◯日をもって退職いたします。

令和◯年◯月◯日(提出日)
◯◯部◯◯課
氏名 ◯◯◯◯(署名)

株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯◯◯殿

退職願にする場合は、本文の末尾を「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」とし、表題を「退職願」にします。

会社都合(事業所の閉鎖など)や退職勧奨に応じた退職の場合は、「一身上の都合」と書くと自己都合退職と受け取られるおそれがあります。この場合は理由を書くかどうか、書き方を人事担当者に確認し、判断に迷うときはハローワークや労働局に相談してください。離職理由は失業保険(基本手当)の給付制限に関わります。詳しくは失業保険(基本手当)の受給条件と手続きの流れを参照してください。

提出のしかた

退職届は、上司と退職日を合意した後、なるべく早いうちに手渡しで出します。渡すときは「先日お話しした件で、退職届をお持ちしました」と一言添え、提出日をメモしておきます。

リモート勤務などで手渡しが難しい場合は、会社の指示に従い、郵送や電子申請で提出します。郵送なら、送付状を付け、配達の記録が残る方法を選びます。電子申請なら、送信完了の画面やメールを保存しておきます。

受け取ってもらえないとき

上司が退職届を受け取らない、机に置いたまま戻ってくるといった場合は、次の順で対応します。

  1. 上司の上長や人事部に直接提出する
  2. それでも受け取られない場合は、内容証明郵便で会社(代表者宛て)に送る

内容証明郵便は、いつ・誰が・どんな内容の文書を送ったかを郵便局が証明する仕組みです。配達の記録が残る方法と組み合わせると、届いた日も確認できます。

期間の定めのない雇用であれば、民法627条1項により、解約の申入れの日から2週間を経過すると雇用は終了すると定められています。会社の承認がないことだけを理由に、退職できなくなるわけではありません。引き止めが続く場合の対応は退職の引き止めへの対応にまとめています。

確認リスト
  • 提出する書類の名前(退職願か退職届か)と様式を確認した
  • 退職日(雇用が終わる日)と最終出社日を区別して書いた
  • 理由は「一身上の都合により」だけにした(自己都合の場合)
  • 宛名は代表者の役職と氏名にした
  • 提出した日と相手を記録し、控えを残した

次にやること

  • 就業規則か人事担当者に、提出書類の名前・様式・提出先を確認する
  • 上司と退職日と最終出社日を合意してから退職届を書く
  • 提出日と受け取った人をメモし、書類の控えを保存する
  • 受け取ってもらえない場合は、上長・人事に提出し、それでも駄目なら内容証明郵便で送る