転職に有利な時期はいつ?求人の動きと自分の準備で決める
- 「この月に動けば有利」という決まった正解はない。求人は企業ごとの事情(欠員・増員・組織変更)で出るため、業界や職種によって動きが違う。
- 時期を決めるときは、求人の動きより「自分の区切り」を優先する。賞与の支給日、繁忙期、引き継ぎに必要な期間から逆算する。
- 一番の判断材料は準備の進み具合。転職理由と職務経歴書が固まっていれば、いつ始めても遅くない。
「有利な時期」はなぜ一概に言えないのか
転職の情報では「◯月は求人が多い」といった説明をよく見かけます。ただ、中途採用の求人は、欠員の補充、事業の拡大、組織変更など、企業それぞれの事情で出ます。新卒採用のように全社が同じ時期に動くわけではありません。
そのため、同じ月でも業界や職種によって求人の動きは違います。たとえば年度の切り替えに合わせて体制を組み直す会社もあれば、決算期が違うために別の時期に採用を強める会社もあります。「世間で言われる時期」に合わせるより、自分が狙う業界・職種の会社がいつ動くかを知るほうが役に立ちます。
求人の動きを自分で確かめる方法
狙う業界の動きは、次の方法で確かめられます。
- 転職サイトで条件を保存し、新着求人の数を毎週メモする。数週間続けると、自分の条件に合う求人が増える時期・減る時期が見えてきます。
- 転職エージェントに直接聞く。担当者は取引先企業の採用計画を把握していることがあります。「この職種の求人が増えやすい時期はありますか」と聞いてみてください。初回面談の準備はエージェントの初回面談で聞かれることで扱っています。
- 応募したい企業の決算期や中期計画を確認する。上場企業ならIR資料に事業計画や人員計画が載っていることがあります。
全国の求人・求職の状況は、厚生労働省が毎月公表している「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」で確認できます。ただし、これはハローワークでの求人・求職を集計したもので、転職サイトやエージェント経由の求人をすべて表すものではない点に注意してください。
自分の側の区切りから逆算する
求人の動きよりも確実に分かるのが、自分の側の事情です。次の3つを確認して、動き出す時期を決めます。
賞与の支給日
賞与の支給要件として「支給日に在籍していること」を定めている会社があります。退職日が支給日より前になると受け取れない場合があるため、就業規則や賃金規程で支給日と要件を確認しておきます。退職金も勤続年数で金額が変わることがあり、退職金と退職日のタイミングで扱っています。
今の仕事の繁忙期と引き継ぎ
繁忙期の真ん中で退職を申し出ると、引き継ぎに時間がかかり、退職日が延びやすくなります。担当している案件やプロジェクトの区切りを確認し、引き継ぎに必要な期間を見積もります。引き継ぎの進め方も参考にしてください。
内定から入社までの期間
在職中の場合、内定が出てから入社するまでには退職の申し出、引き継ぎ、有給休暇の消化が入ります。応募先が希望する入社時期と、自分が退職できる時期が合うかどうかは、選考の早い段階で確認されることが多いです。退職日の逆算方法は退職日の決め方で解説しています。
家族や住まいの予定
引っ越しを伴う転職、子どもの入園・入学、家族の転勤など、仕事以外の予定も入社時期に影響します。勤務地が変わる場合は、住まい探しや手続きの期間も必要です。家族と一緒に暮らしている場合は、応募を始める前に、入社時期の希望と生活の予定をすり合わせておくと、内定が出てから慌てずに済みます。
年度の途中で転職するときの手続き
年の途中で会社を移ると、年末調整を新しい会社で受けるための書類(前の会社の源泉徴収票など)が必要になります。退職のタイミングによっては住民税の納め方も変わります。時期そのものを左右するほどではありませんが、あとで慌てないように年の途中で転職したときの年末調整と確定申告と退職と住民税に目を通しておきましょう。
時期の決め方の例
区切りから逆算すると、動き出す時期は次のように決まります。
| 確認すること | 例 |
|---|---|
| 入社したい時期 | 翌年の4月 |
| 退職の申し出から退職までの期間 | 就業規則で「1か月前」、引き継ぎを含めて1.5か月を見込む |
| 選考にかかる期間 | 応募から内定まで2か月を見込む |
| 準備にかかる期間 | 書類づくりに1か月 |
| → 動き出す時期 | 入社希望日から約4.5か月前に準備を始める |
この例の数字は計算の手順を示すためのもので、実際の期間は会社の規程や選考の進み方によって変わります。自分の数字を入れて計算してください。
「今は動くべきでない」ときのサイン
時期よりも、次のような状態のときは、動き出すのを少し待つほうがよい場合があります。
- 転職理由が「今の職場がいやだ」から先に進まず、次にどうしたいかが言えない
- 大きな異動や昇進の直後で、新しい役割での実績がまだない
- 担当している大きな案件が終わる直前で、区切りまで待てば実績として書ける
逆に、転職理由が整理できていて、職務経歴書の基本版がある状態なら、時期を待たずに動き始めて問題ありません。求人は1件ずつ出るものなので、準備ができていれば、良い求人が出たときにすぐ応募できます。